相続手続き

相続で依頼した弁護士が頼りない…複数の弁護士の意見を聞く「セカンドオピニオン」のススメ

あなたが依頼した弁護士が本当にあなたのことを考えて解決を目指してくれているのか不安に思ったことはありませんか?

相手の代理人の弁護士の意見に押し込まれている

こちらが要望を伝えても聞いてくれない

返ってくる連絡が遅い

いっこうに解決の見通しが立たない

弁護士と長期にわたって関わりを持つ「相続」という案件だからこそ、このような不安や不満を抱える人は少なくありません。

今回の記事では、今依頼している弁護士に対して不安や不満を抱えたあなたが今後どうするべきなのか、その行動の提案をいたします。

 

弁護士の「セカンドオピニオン」を求めましょう。

今の弁護士に納得できないあなたが、取ることができる行動に「セカンドオピニオンを求める」というものがあります。

セカンドオピニオンとは、もうすでに弁護士に依頼している、あるいは依頼はまだしていないが相談をしているという人が、他の弁護士から新たな意見を聞き、場合によっては案件の解決に向けた業務を依頼するということです。

セカンドオピニオンは、医療の世界ではすでに一般的に利用されています。治療をすでに受けている、あるいはこれから受けようとしているという人が、主治医以外の意見を聞くことで良い治療法を受けることが可能となります。

弁護士の場合も同様で、ケースによっては他の弁護士の意見を聞くことが重要になります。一人の弁護士の意見を聞くだけではなく、他の弁護士の意見も求めることでより良い解決を目指すことができるでしょう

このような背景から、弁護士のセカンドオピニオンを求める人は近年増加しています

 

セカンドオピニオンで弁護士を交代することなんて可能なの?

ここまでは、弁護士のセカンドオピニオンは「有用」「一般的」であることをお伝えしてきました。

しかし、他の弁護士に相談することはできても、今依頼している弁護士を解約することができるのかと不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

セカンドオピニオンが理由で相談・依頼している弁護士を途中解約できるの?

結論から申し上げますと、今相談・依頼している弁護士を解約することは当然可能です

弁護士と依頼者との関係は、信頼関係に基づく、委任契約(民法634条)です。

委任契約は、その性質上、
・委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。 (民法651条1項)
・当事者の一方が相手方に不利な時期に委任の解除をしたときは、その当事者の一方は、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。(同条2項)
とされている契約です。

条文(民法651条1項)にある通り、いつでも解約することができます

セカンドオピニオンで弁護士を解約した場合の費用はどうなるの?

解約できることはわかったけれど….費用はどうなるのかという不安を頂く方も少なくないと思います。


着手金を支払っている場合は、これまで依頼した弁護士が行った業務に応じて、返金を請求することが可能です。ただ、弁護士がどこまで検討し、どこまで作業を行ったのかはケースバイケースとなります。その点で揉めた場合は、弁護士の所属する弁護士会に相談されたらよいと思います。

弁護士との報酬契約に一度受け取ったら返金しないと書かれていても、ほとんど業務を行っていない場合は、消費者契約法もありますので、返金はしてもらえることとなると思います。

もちろん、弁護士を変えると返金を受けられない場合も多いとは思います。

この場合着手金は2倍かかってしまい、痛い出費となる可能性はあります。しかし、今依頼している事件がうまく行かなければその弁護士費用以上に遺産相続で損をしてしまう可能性があるので、この点を考慮されたらよいと思います。

弁護士の先生にはお世話になったこともあるし…

他の弁護士に相談や、依頼をするとなった際に、一番気になるのは解約する先生との人間関係だと思います。確かに、不安や頼りない部分もあったけれど、相談に乗ってくれたし申し訳ないという感情を持つ方は多いのではないでしょうか。

実際に、セカンドオピニオンに来る依頼者の皆様を見ていると、費用に関する不安も当然ありますが感情的な申し訳無さから解約に踏み切れない方が多いです。


一生に数回しかない相続問題

しかし、私は依頼者様に納得できる解決をしていただきたいからこそ、担当してる弁護士が信頼できないならば、信頼できる弁護士に依頼し直すべきだと思います

相続は、依頼者様のその後の人生に大きく与える出来事です。人生において重要な出来事だからこそ、しっかり納得して解決していただきたいと思います。

そのためには、能力的も人間的にも信頼できる弁護士の基で解決に導いてもらうことがよいのではないでしょうか

ただし、複数の弁護士に同時期に依頼することはできません

今までのおさらいですが、複数の弁護士に相談することは可能です。

現在、ある弁護士に依頼をしていたとしても、その弁護士の事件処理に疑念が生じているようであれば、他の弁護士に相談することは問題ありません。

しかし、複数の弁護士に同じ案件でそのまま依頼をすることはできません。

前の弁護士を解任してからでないと、あとからの弁護士は依頼を受けることができないからです。2人の弁護士が共同で依頼を受けることを承諾すれば別ですが、知らない弁護士同士が共同で1つの事件を遂行するということはないと思います。

もとから依頼をしている弁護士との契約を一度解約してから、ほかの弁護士に依頼しましょう。

 

高島総合法律事務所ではセカンドオピニオンを受け付けています。

高島法律事務所では、弁護士に依頼したものの「どこか納得できない」「頼りない気がする…」等の不安を抱えた方の相談を受け付けております。

事務所の大きな特徴である「親身に寄り添う姿勢」と豊富な経験で、依頼者様の納得できる解決まで結びつけていきます。

私が大事にする「親身に寄り添う姿勢」についてこちらのインタビュー記事「高島秀行弁護士インタビュー 相続でお悩みの方に伝えたいこと」から感じ取っていただければと思います。

少しでも今相談・依頼している弁護士が頼りないと感じているようであれば、ぜひともお問い合わせください。

 

※セカンドオピニオンの法律相談料について

セカンドオピニオンについては、大変ご好評をいただいておりまして、セカンドオピニオンのご相談・ご要望を多数お受けしています。

セカンドオピニオンのご相談では、事案の問題点や見通しだけでなく、既にされている主張立証が十分なのかなどについても検討しなければならないことから相談料は1時間あたり2万円(税別)をいただくこととさせていただいています。

事件記録を読ませていただく場合は事件記録を読む時間も1時間当たり2万円(税別)をいただくこととなりますのでご理解いただきたいと存じます。

なお、事件を依頼される場合はセカンドピニオンの相談料は着手金の内金としますので、相談料はかからないことと同じになります。

ただし、事件は必ず受任するとは限りませんので、ご注意ください。


▶︎ お問い合わせ・ご相談・ご依頼はこちらから。

▶︎ 高島総合法律事務所について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。


もしあなたが相続のことでお悩みでしたら、ぜひともお問い合わせください。相続に関することであればどんな些細なことでも構いません。悩むあなたのパートナーとして親身に寄り添い解決を目指します。

なお、初回相談料30分5,000円(税別)いただいています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

高島総合法律事務所

〒105-0001

東京都港区虎ノ門1-11-7 第二文成ビル9階

(虎ノ門駅から徒歩4分・霞ヶ関駅から徒歩6分)

03-3539-3339

代表弁護士:高島秀行

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



2018/1/12 更新 寄せられたご質問にお答えします。

当記事に対していくつか疑問が寄せられましたので、追記して紹介させていただきます。

相談・依頼した弁護士に提供した個人情報の扱いはどうなるの?

たしかに、これまで相談・依頼をしていた弁護士との関係で、提供した個人情報や相談内容の扱いが不安に感じるという方もいるかと思います。

その点は心配なさらないでください。弁護士は職務上、守秘義務を徹底管理しています

弁護士職務規定23条に「弁護士は、正当な理由なく、依頼者について職務上知り得た秘密を他に漏ら(弁護士報酬)し、又は利用してはならない。」と定められています。

弁護士に提供した情報が漏れることを心配せずにセカンドオピニオンをご利用いただければと思います。

複数相談することを依頼している弁護士に止められることはないの?

もし、他の弁護士の先生に相談することを考えていると打ち明けたら、今依頼している弁護士の先生に止められるのではないかと考える方もいるかと思います。

しかし、弁護士はそのようなことはできません。

弁護士職務規定の40条に「弁護士は、受任している事件について、依頼者が他の弁護士又は弁護士法人に依頼をしようとするときは、正当な理由なく、これを妨げてはならない。」と定められているためです。

他の弁護士への相談を止めてくる弁護士はまずいないと思いますが、もしいたら弁護士職務規定に定められている旨を主張しましょう。

 

遺産相続手続きの期限|過ぎてしまった場合のデメリットと対策前のページ

遺留分の割合と計算方法|あなたは遺留分を侵害されているでしょうか?次のページ

関連記事

  1. 相続手続き

    被相続人の死亡直前・死亡直後に口座から引き出された預金はどうなる?

    死亡後、被相続人の銀行預金口座はどうなるか被相続人が亡くなると銀行…

  2. 相続手続き

    相続で弁護士に依頼するといくらかかる?弁護士費用の種類と相場

    弁護士に依頼するのは高そうで腰が引けてしまう。そもそも…

  3. 相続手続き

    遺産相続で悩むあなたが弁護士選びで見るべき”7つ”のポイント

    弁護士に相談依頼することを決まったものの、知り合いにいるわけで…

  4. 相続手続き

    【記載例付き】相続財産目録の書き方・記入事項と作成すべき理由

    財産目録とは、一定時点における所有財産を全て網羅した一覧表です。…

  5. 相続手続き

    遺産相続手続きの期限|過ぎてしまった場合のデメリットと対策

    相続が発生したが、いつまでに何をすればいいのか分からない。…

  6. 相続手続き

    相続の相談は誰にすべき?弁護士か司法書士かを選ぶ際のヒント

    相続問題に直面するのが初めての方へ。そもそも今直面している問題を誰…

  1. 相続手続き

    被相続人の死亡直前・死亡直後に口座から引き出された預金はどうなる?
  2. 遺産分割

    相続人同士で争いが起こりやすい不動産の相続、争いが起こらないためには?
  3. 遺留分

    遺留分減殺請求できる代襲相続人は誰か?遺留分の割合とともに紹介
  4. 改正相続法

    婚姻期間20年以上の配偶者に対する居住用不動産の贈与等については、持ち戻しが免除…
  5. 遺言

    遺言書は本当に無効?チェックリストと無効でも相続分を増やす方法
PAGE TOP